彼は浮世の義理を愛し、浮世の戦争を愛してゐる。
この論理は明快であるが、奇怪でもあり、要するに、豊臣の天下に横から手をだす家康は怪しからぬといふ結論だが、なぜ豊臣の天下が正義なりや、天下は廻り持ち、豊臣とても廻り持ちの一つにすぎず、その万代を正義化し得る何のいはれも有りはせぬ。
けれども、さういふ考察は、この男には問題ではなかつた。
彼は浮世の義理を愛し、浮世の戦争を愛してゐる。
この論理は明快であるが、奇怪でもあり、要するに、豊臣の天下に横から手をだす家康は怪しからぬといふ結論だが、なぜ豊臣の天下が正義なりや、天下は廻り持ち、豊臣とても廻り持ちの一つにすぎず、その万代を正義化し得る何のいはれも有りはせぬ。
けれども、さういふ考察は、この男には問題ではなかつた。