それも骨の髄から嫌ひだといふ深刻な性質のものではなく、なんとなく嫌ひで時々からかつてみたくなる性質の――彼は第一骨の髄まで人を憎む男ではなく、風流人で、通人で、その上に戦争狂であつたわけだ。
だから、家康が天下をとるなら、俺がひとつ横からとびだしてピンタをくらはせてやらうと大いに張切つて内心の愉悦をおさへきれず、あれこれ用意をとゝのへて時の到るのを待つてゐる。
彼の心事明快で、家康をやりこめて代りに自分の主人を天下の覇者にしてやらうなどゝいふケチな考へは毛頭いだいてゐなかつた。
それも骨の髄から嫌ひだといふ深刻な性質のものではなく、なんとなく嫌ひで時々からかつてみたくなる性質の――彼は第一骨の髄まで人を憎む男ではなく、風流人で、通人で、その上に戦争狂であつたわけだ。
だから、家康が天下をとるなら、俺がひとつ横からとびだしてピンタをくらはせてやらうと大いに張切つて内心の愉悦をおさへきれず、あれこれ用意をとゝのへて時の到るのを待つてゐる。
彼の心事明快で、家康をやりこめて代りに自分の主人を天下の覇者にしてやらうなどゝいふケチな考へは毛頭いだいてゐなかつた。