家康は三成の好意を喜び、とつて帰すと、その翌日はすでに息子秀忠は京都を出発走るが如く江戸に向ふ、父子東西に分れて天下の異変にそなへる家康例の神速の巻、浅野長政は家康の縁者で、喪を告げぬとは不埒な奴と家康の怒りを買ふ、だまされたか三成めと長政は怒つたが、長政をだしぬくなどの量見は三成にはない。
彼はたゞ必死であつた。
自信もなければ、見透しも計画もなく、無策の中から一日ごとの体当り。
家康は三成の好意を喜び、とつて帰すと、その翌日はすでに息子秀忠は京都を出発走るが如く江戸に向ふ、父子東西に分れて天下の異変にそなへる家康例の神速の巻、浅野長政は家康の縁者で、喪を告げぬとは不埒な奴と家康の怒りを買ふ、だまされたか三成めと長政は怒つたが、長政をだしぬくなどの量見は三成にはない。
彼はたゞ必死であつた。
自信もなければ、見透しも計画もなく、無策の中から一日ごとの体当り。