彼自身もついには自分の神経を不思議に思い出した。
彼は一種の利害関係から、過去に溯ぼる嫌疑を恐れて、森本の居所もまたその言伝も主人夫婦に告げられないという弱味を有っているには違ないが、それは良心の上にどれほどの曇もかけなかった。
記念として上げるとわざわざ云って来たものを、快よく貰い受ける勇気の出ないのは、他の好意を空くする点において、面白くないにきまっているが、これとても苦になるほどではない。
彼自身もついには自分の神経を不思議に思い出した。
彼は一種の利害関係から、過去に溯ぼる嫌疑を恐れて、森本の居所もまたその言伝も主人夫婦に告げられないという弱味を有っているには違ないが、それは良心の上にどれほどの曇もかけなかった。
記念として上げるとわざわざ云って来たものを、快よく貰い受ける勇気の出ないのは、他の好意を空くする点において、面白くないにきまっているが、これとても苦になるほどではない。