今までの関係上主人夫婦の眼を憚からなければならない手紙なので、下女を呼んでポストへ入れさせる訳にも行かなかったから、敬太郎はすぐそれを自分の袂の中に蔵した。
彼はそれを持って夕食後散歩かたがた外へ出かける気で寒い梯子段を下まで降り切ると、須永から電話が掛った。
今日内幸町から従妹が来ての話に、叔父は四五日内に用事で大阪へ行くかも知れないそうだから、余り遅くなってはと思って、立つ前に会って貰えまいかと電話で聞いて見たら、宜しいという返事だから、行く気ならなるべく早く行った方がよかろう。
今までの関係上主人夫婦の眼を憚からなければならない手紙なので、下女を呼んでポストへ入れさせる訳にも行かなかったから、敬太郎はすぐそれを自分の袂の中に蔵した。
彼はそれを持って夕食後散歩かたがた外へ出かける気で寒い梯子段を下まで降り切ると、須永から電話が掛った。
今日内幸町から従妹が来ての話に、叔父は四五日内に用事で大阪へ行くかも知れないそうだから、余り遅くなってはと思って、立つ前に会って貰えまいかと電話で聞いて見たら、宜しいという返事だから、行く気ならなるべく早く行った方がよかろう。