外の映画会社の社長にこれだけの識見は多分なさそうで、菊池寛社長の企業的才能よりも、U氏のこのつゝましい識見の方が、日本のためには必要なのだと私は思う。
ところが、あいにくなことにこのU氏には実行力、決断力というものがない。
映画界というところはうるさいところで、演出は演出、企画は企画、俳優は俳優、カメラはカメラ、それ/″\自分をまもるための組合組織みたいな結合が発達していて、つまり個人としての才能に自信がないから団体的に自分をまもろうとするのだろうが、それだけに素人の社長が自分の意見を通すことができない。