けれども真直に神田橋を抜けて丸の内を疾駆する際にも、自分は今須永の従妹の家に向って走りつつあるのだという心持は忘れなかった。
彼は勧業銀行の辺で下りるはずのところを、つい桜田本郷町まで乗り越して驚ろいてまた暗い方へ引き返した。
淋しい夜であったが尋ねる目的の家はすぐ知れた。
けれども真直に神田橋を抜けて丸の内を疾駆する際にも、自分は今須永の従妹の家に向って走りつつあるのだという心持は忘れなかった。
彼は勧業銀行の辺で下りるはずのところを、つい桜田本郷町まで乗り越して驚ろいてまた暗い方へ引き返した。
淋しい夜であったが尋ねる目的の家はすぐ知れた。