玄関へ掛って名刺を出すと、小倉の袴を穿いた若い書生がそれを受取って、「ちょっと」と云ったまま奥へ這入って行った。
その声が確かに先刻電話口で聞いたのに違ないので、敬太郎は彼の後姿を見送りながら厭な奴だと思った。
すると彼は名刺を持ったまままた現われた。
玄関へ掛って名刺を出すと、小倉の袴を穿いた若い書生がそれを受取って、「ちょっと」と云ったまま奥へ這入って行った。
その声が確かに先刻電話口で聞いたのに違ないので、敬太郎は彼の後姿を見送りながら厭な奴だと思った。
すると彼は名刺を持ったまままた現われた。