「それでも妹婿の方は御蔭さまで、何だかだって方々の会社へ首を突っ込んでおりますから、この方はまあ不自由なく暮しておる模様でございますが、手前共や矢来の弟などになりますと、云わば、浪人同様で、昔に比べたら、尾羽うち枯らさないばかりの体たらくだって、よく弟ともそう申しては笑うこってございますよ」
敬太郎は何となく自分の身の上を顧みて気恥かしい思をした。
幸にさきがすらすら喋舌ってくれるので、こっちに受け答をする文句を考える必要がないのをせめてもの得として聞き続けた。
「それでも妹婿の方は御蔭さまで、何だかだって方々の会社へ首を突っ込んでおりますから、この方はまあ不自由なく暮しておる模様でございますが、手前共や矢来の弟などになりますと、云わば、浪人同様で、昔に比べたら、尾羽うち枯らさないばかりの体たらくだって、よく弟ともそう申しては笑うこってございますよ」
敬太郎は何となく自分の身の上を顧みて気恥かしい思をした。
幸にさきがすらすら喋舌ってくれるので、こっちに受け答をする文句を考える必要がないのをせめてもの得として聞き続けた。