きこえるのか、きこえないのか、シシド君、半眼、相手になろうともしない。
この有様に怒髪天をついたのはオタツであった。
天下ただ一人の男とたのむ亭主が両手をついてシドロモドロであるから、かくもウチの人をたぶらかす化け狸め、もうカンベンならねえと、便所の手ヌグイをもちだすや、リュックのうしろへまわり、それにもたれてウツラ/\のシシド君のクビへ便所の手ヌグイをまきつけて、
きこえるのか、きこえないのか、シシド君、半眼、相手になろうともしない。
この有様に怒髪天をついたのはオタツであった。
天下ただ一人の男とたのむ亭主が両手をついてシドロモドロであるから、かくもウチの人をたぶらかす化け狸め、もうカンベンならねえと、便所の手ヌグイをもちだすや、リュックのうしろへまわり、それにもたれてウツラ/\のシシド君のクビへ便所の手ヌグイをまきつけて、