彼は鶏卵とも蛙とも何とも名状しがたい或物が、半ば蛇の口に隠れ、半ば蛇の口から現われて、呑み尽されもせず、逃れ切りもせず、出るとも這入るとも片のつかない状態を思い浮かべて、すぐこれだと判断したのである。
これで万事が綺麗に解決されたものと考えた敬太郎は、躍り上るように机の前を離れて、時計の鎖を帯に絡んだ。
帽子は手に持ったまま、袴も穿かずに室を出ようとしたが、あの洋杖をどうして持って出たものだろうかという問題がちょっと彼を躊躇さした。
彼は鶏卵とも蛙とも何とも名状しがたい或物が、半ば蛇の口に隠れ、半ば蛇の口から現われて、呑み尽されもせず、逃れ切りもせず、出るとも這入るとも片のつかない状態を思い浮かべて、すぐこれだと判断したのである。
これで万事が綺麗に解決されたものと考えた敬太郎は、躍り上るように机の前を離れて、時計の鎖を帯に絡んだ。
帽子は手に持ったまま、袴も穿かずに室を出ようとしたが、あの洋杖をどうして持って出たものだろうかという問題がちょっと彼を躊躇さした。