さて、そういう村のあるところに、日当りのよい前庭に百坪もある円い池のある農家があった。
その池には先祖からの鯉がいっぱい泳いでいて、それだけでも一財産だと云われているほどの池だから、この家はいつのころからか円池サンという通称でよばれるようになっていた。
年の暮も押しつまって明日は新年という大晦日の夜更けに、円池の平吉という当主が便所に立ったところ、その晩はカラッ風のない晩で、そういうときのシンシンとした寒さ静けさはまた一入なものだ。
さて、そういう村のあるところに、日当りのよい前庭に百坪もある円い池のある農家があった。
その池には先祖からの鯉がいっぱい泳いでいて、それだけでも一財産だと云われているほどの池だから、この家はいつのころからか円池サンという通称でよばれるようになっていた。
年の暮も押しつまって明日は新年という大晦日の夜更けに、円池の平吉という当主が便所に立ったところ、その晩はカラッ風のない晩で、そういうときのシンシンとした寒さ静けさはまた一入なものだ。