田口はちょっとそれを受取ったまま、「まあ分らないところが本当でしょう」と敬太郎に答えたが、すぐ書生の方を見て、「応接間へ通しておいて……」と命令した。
先刻からよほど窮していた矢先だから、敬太郎はこの来客を好い機に、もうここで切り上げようと思って身繕いにかかると、田口はわざわざ彼の立たない前にそれを遮ぎった。
そうして敬太郎の辟易するのに頓着なくなお質問を進行させた。
田口はちょっとそれを受取ったまま、「まあ分らないところが本当でしょう」と敬太郎に答えたが、すぐ書生の方を見て、「応接間へ通しておいて……」と命令した。
先刻からよほど窮していた矢先だから、敬太郎はこの来客を好い機に、もうここで切り上げようと思って身繕いにかかると、田口はわざわざ彼の立たない前にそれを遮ぎった。
そうして敬太郎の辟易するのに頓着なくなお質問を進行させた。