なじりながら叔父の頬は顫えたが、私は然し冷然と見流してゐた。
「私は極めて卑近な、実際的な憎悪に就いて、偽りのない感想を述べてゐるのです。
結果に於て肉体には理窟のあつた例しがないにも拘らず、我々の過去が単に後悔するために如何に架空な、然し高遠らしく見えるところの理窟をもてあそんだか、といふことを、私の若い経験ですら知つてゐるからです」
なじりながら叔父の頬は顫えたが、私は然し冷然と見流してゐた。
「私は極めて卑近な、実際的な憎悪に就いて、偽りのない感想を述べてゐるのです。
結果に於て肉体には理窟のあつた例しがないにも拘らず、我々の過去が単に後悔するために如何に架空な、然し高遠らしく見えるところの理窟をもてあそんだか、といふことを、私の若い経験ですら知つてゐるからです」