坂口安吾 『老嫗面』 それはもう金の必要のせゐではなかつた。 盗癖だけのせゐでもなかつた。 さういふことのあつた日は、安川が別段それを問題にしてもゐないのに、タツノの眼付は野獣のやうに強情な冷たい反抗をあらはして、むしろ安川を追ひつめるやうに不気味にせまる感じがした。 坂口安吾の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア