坂口安吾 『吹雪物語』 二人は松原の砂をふみ、松籟の澱みの中を歩いてゐた。 突然野々宮が歌ひだした。 夜会では甚だ目立たぬ低唱だつたが、そして松籟の渡るたびにその歌声は消えがちだつたが、自然の深い静寂の中では、彼の個性がはつきりしてゐた。 坂口安吾の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア