貸してしまつた金だから、どう使はれても文句の言へないことだつたが、のつぴきならない入費だといふ五百円が、思ひがけない方面へ消費されてゐることを知つて、他巳吉は内心不服をもつたのである。
それは文子の衣裳であつた。
踊りのための装身具や、化粧品のたぐひであつた。
貸してしまつた金だから、どう使はれても文句の言へないことだつたが、のつぴきならない入費だといふ五百円が、思ひがけない方面へ消費されてゐることを知つて、他巳吉は内心不服をもつたのである。
それは文子の衣裳であつた。
踊りのための装身具や、化粧品のたぐひであつた。