坂口安吾 『吹雪物語』 偽りのない左門の気持のひとつであつた。 そして踊る文子の姿がいぢらしく、せつないまでにいとしいものに思はれてしまふ。 けれども、文子に見棄てられ、裏切られたやうな寂寥が、老ひと孤独のあの諦らめの跫音で、いつしか帰滅へ急ぐやうに彼の心をさらつてゐた。 坂口安吾の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア