坂口安吾 『吹雪物語』 暫く知らない人々のあひだに、ぼんやり彳んでゐる自分すら、他人のやうな思ひがしてゐた。 掌に、消えた煙草と切符とを、一緒くたに握りしめてゐることすら、長いあひだ気付かなかつた。 「汽車に飛び乗れて、良かつたわね」と、由子は放心しながら、言つた。 坂口安吾の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア