坂口安吾 『吹雪物語』 皺を丁寧に折返して、それから一々の皺のあとを、指先で、たひらにこすつてゐるのである。 字が消えて読めないやうに汚れても、もはや知らないらしかつた。 やがて切符の隅の方から、その爪先につまみうる最小限の細かさに、毟りとつて、すてはじめた。 坂口安吾の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア