坂口安吾 『吹雪物語』 窓の下に西堀の水が澱み、両岸の古柳が水面に垂れた枝を風に騒がせてゐる。 堀の向ふに、明治年間の洋風建築の見本のやうな、貧弱な市役所があつたのである。 卓一の記憶の中にその建物は生きてゐるのに、彼が赴任してきたときは、火事に焼けたあとだつた。 坂口安吾の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア