エスパニヤ軒の舞踏場へ行くときまると、古川澄江を避ける心の激しさが一段落をつげただけでも、卓一は二人に別れるキッカケを見失つた感じになつてしまふのである。
彼はひどく当惑しながら、然したうとうひきづられて、一応は舞踏室へあがるほかにはどうにもならない成行きであつた。
舞踏室の肱掛椅子に埋もれて、一曲だけはどうにか我慢してゐたが、二曲目の踊りがはじまると、もはや一瞬もゐたたまらない物憂さを堪えることができないのだ。
エスパニヤ軒の舞踏場へ行くときまると、古川澄江を避ける心の激しさが一段落をつげただけでも、卓一は二人に別れるキッカケを見失つた感じになつてしまふのである。
彼はひどく当惑しながら、然したうとうひきづられて、一応は舞踏室へあがるほかにはどうにもならない成行きであつた。
舞踏室の肱掛椅子に埋もれて、一曲だけはどうにか我慢してゐたが、二曲目の踊りがはじまると、もはや一瞬もゐたたまらない物憂さを堪えることができないのだ。