まして死滅がもたらすところの人生の虚無を観じ、虚無に帰滅することに一分の安らかさをも感じてゐる自分であつた筈なのだ。
もともと伝記を残さうといふ気持に遠い自分であつた。
――ただ野々宮の言葉の中に、さういふ思ひを起させるあるなつかしい響きがあつたのであらう。
まして死滅がもたらすところの人生の虚無を観じ、虚無に帰滅することに一分の安らかさをも感じてゐる自分であつた筈なのだ。
もともと伝記を残さうといふ気持に遠い自分であつた。
――ただ野々宮の言葉の中に、さういふ思ひを起させるあるなつかしい響きがあつたのであらう。