坂口安吾 『吹雪物語』 野々宮は疲れてゐる。 野々宮は身体も心もやつれきつてゐるやうだ。 そのせつなさを眼に入れながら斯うして語つてゐるだけで、左門の愁ひの悲しさが、開け放たれた静かな窓から安らかな外気に溶けて空の彼方へ流れるやうに思はれる。 坂口安吾の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア