吹雪の夜は、闇空を走る北風の悲鳴だけでも、やりきれない。
卓一の少年の頃は、吹雪の夜といひさへすれば、きまつたやうに電燈が故障を起して消えたものだ。
夜明けまで消えつぱなしてゐたものか、真夜中ごろには故障が直つて点いたのか覚えがないが、卓一は蝋燭のちらくら揺れる光影の下で、いつも眠つてしまつたのである。
吹雪の夜は、闇空を走る北風の悲鳴だけでも、やりきれない。
卓一の少年の頃は、吹雪の夜といひさへすれば、きまつたやうに電燈が故障を起して消えたものだ。
夜明けまで消えつぱなしてゐたものか、真夜中ごろには故障が直つて点いたのか覚えがないが、卓一は蝋燭のちらくら揺れる光影の下で、いつも眠つてしまつたのである。