外套の周囲に敷きつめた雪も吹き狂ふ風にまかれて舞ひ走り、風の悲鳴が耳を掠めて暗闇の奥へ駈け去つてしまふ。
卓一の心は安らかだつた。
吹雪の丘に坐りとほして冷めたい一夜を明かしても、さめ、そして衰ふるべき何物もなく、心にみちた静寂がひたすら豊かになるばかりに思はれてゐる。
外套の周囲に敷きつめた雪も吹き狂ふ風にまかれて舞ひ走り、風の悲鳴が耳を掠めて暗闇の奥へ駈け去つてしまふ。
卓一の心は安らかだつた。
吹雪の丘に坐りとほして冷めたい一夜を明かしても、さめ、そして衰ふるべき何物もなく、心にみちた静寂がひたすら豊かになるばかりに思はれてゐる。