淋しがる様子もなかつた。
たまたま教会を写生にきたRを知り、やがて疑紅社に加はるまでは、彼も亦昔の混血少年と同じやうにポプラの杜を一足踏みだすことも稀れで、日盛りに人眼をぬすみ、教会堂の長椅子を組み合はせてヒョロ長い身体を横たえ、膝をくの字に折り曲げて昼寝をむさぼつてゐたのである。
そして老堂守に昼寝の椅子を蹴飛ばされて床板の上へころがり落ちると、散々に罵しられてから、厭々ながら箒を握つて庭へ降りて、額に癇癪の青筋を浮きだしながら、だらしなくあああと欠伸をしてゐるのだつた。
淋しがる様子もなかつた。
たまたま教会を写生にきたRを知り、やがて疑紅社に加はるまでは、彼も亦昔の混血少年と同じやうにポプラの杜を一足踏みだすことも稀れで、日盛りに人眼をぬすみ、教会堂の長椅子を組み合はせてヒョロ長い身体を横たえ、膝をくの字に折り曲げて昼寝をむさぼつてゐたのである。
そして老堂守に昼寝の椅子を蹴飛ばされて床板の上へころがり落ちると、散々に罵しられてから、厭々ながら箒を握つて庭へ降りて、額に癇癪の青筋を浮きだしながら、だらしなくあああと欠伸をしてゐるのだつた。