衒はれた異常さや鋭さは、それがひとつの真実であることを強ひる手段によつて、芸術よりもむしろ辛うじて現実の仲間入りをしやうとするものであるが、その真実でありかたは、あたかも巾着切りの技術のやうなものである。
彼等は芸術の正道を低俗と同一視し、正道を常識的であるかの如く誤解、もしくは混同しやうと努めてゐる異常好みの俗人である。
そして彼等は己れの評価を自ら信じて悠揚せまらざる剛毅の風なく、徒らに他の評価に心をみだし己れを守るために警戒の眼のみ夜禽の如くけはしきこと、これまた恰も巾着切りその人に彷彿としてゐる。