坂口安吾 『吹雪物語』 そして漸くその時がきた。 澄江のあらゆる表情が憎しみのために洗はれて、ジョーヌの前に現れたとき、その顔は一途に冷めたさを宿してゐる無気味な能面にちかかつた。 ジョーヌは恐怖にはぢかれて瞬間本能的に逃げ腰になりかけたが、眼を暗らくして、うなだれた。 坂口安吾の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア