旅ぜんたいが、そもそも今更悔んでも、取返しのつかない大損なのである。
そして旅籠の夜ごとに、今日の損、昨日の大損、おととひの損、さきおととひの大損に悩んで、やうやく疲労困憊と諦らめがごつちやにまぢつて沈澱して異体の知れないものになるとき、睡魔が損にかはることができるのだつた。
「あの女は鉄火だからな」と他巳吉は思つた。
旅ぜんたいが、そもそも今更悔んでも、取返しのつかない大損なのである。
そして旅籠の夜ごとに、今日の損、昨日の大損、おととひの損、さきおととひの大損に悩んで、やうやく疲労困憊と諦らめがごつちやにまぢつて沈澱して異体の知れないものになるとき、睡魔が損にかはることができるのだつた。
「あの女は鉄火だからな」と他巳吉は思つた。