その手は大きに桑名の焼蛤といふものだ。
そこで再び大きな舌をべろりとだして憎たらしげに鼻をひくひくさせるのだつた。
いつそのこと澄江がさつき言つたやうに、私孫娘のやうにお爺さんを大事にするわ(他巳吉はにやにや笑つて舌をだした)あれとこれと中味はだいぶ違つてくるが、ほんものの孫娘をつれて出掛ける方がむしろよつぽど安あがりだと考へて、裏切りの歴然たる通牒でもあるところの赤い舌を、改めて長々と突きだしたのであつた。
その手は大きに桑名の焼蛤といふものだ。
そこで再び大きな舌をべろりとだして憎たらしげに鼻をひくひくさせるのだつた。
いつそのこと澄江がさつき言つたやうに、私孫娘のやうにお爺さんを大事にするわ(他巳吉はにやにや笑つて舌をだした)あれとこれと中味はだいぶ違つてくるが、ほんものの孫娘をつれて出掛ける方がむしろよつぽど安あがりだと考へて、裏切りの歴然たる通牒でもあるところの赤い舌を、改めて長々と突きだしたのであつた。