土を掘つても、一文の銭もでないと、昔から譬にも言ふ通りのものだ」と他巳吉はさう呟いて外へでたが、諦らめわるく舞ひ戻つて、縞の財布を再びとりだしてゐるのであつた。
ひと思ひに行つてしまへといふ気持はまづ金輪際ないつもりだが、物のはづみで行かなければならない破目になる時のことが、気がかりであつた。
その気がかりのあることは、いはばひと思ひに行つてもいいといふ気持が、やつぱり心にあることの偽りのないしるしであらう。
土を掘つても、一文の銭もでないと、昔から譬にも言ふ通りのものだ」と他巳吉はさう呟いて外へでたが、諦らめわるく舞ひ戻つて、縞の財布を再びとりだしてゐるのであつた。
ひと思ひに行つてしまへといふ気持はまづ金輪際ないつもりだが、物のはづみで行かなければならない破目になる時のことが、気がかりであつた。
その気がかりのあることは、いはばひと思ひに行つてもいいといふ気持が、やつぱり心にあることの偽りのないしるしであらう。