それは当然なことではあるが、雪の行方をみつめてゐると、地平線へ没するたびに、広茫たる虚しい思ひに心をなでられる思ひがする。
「雪の中へ雪が降ると、急に見えなくなつてしまふね」と他巳吉はぼんやり車窓の景色を眺めて呟いた。
澄江はそれを忘れることができなかつた。
それは当然なことではあるが、雪の行方をみつめてゐると、地平線へ没するたびに、広茫たる虚しい思ひに心をなでられる思ひがする。
「雪の中へ雪が降ると、急に見えなくなつてしまふね」と他巳吉はぼんやり車窓の景色を眺めて呟いた。
澄江はそれを忘れることができなかつた。