とにかく医者でさへあれば見立てのことは我慢しやうといふ腹である――おさまらないのは人柄であつた。
この男は医学のことより三味線や小唄の方がうまかつた。
ぞろりとした着流しに角帯白足袋といふ風態で、扇子を握つた手つきの加減で動作のはづみをつけるのである。
とにかく医者でさへあれば見立てのことは我慢しやうといふ腹である――おさまらないのは人柄であつた。
この男は医学のことより三味線や小唄の方がうまかつた。
ぞろりとした着流しに角帯白足袋といふ風態で、扇子を握つた手つきの加減で動作のはづみをつけるのである。