坂口安吾 『吹雪物語』 恐らく太平洋沿岸は春の訪れのきざしが見える季節になつてゐるのであらう。 この雪国でも日がのびてゐる。 然し暗灰色の雪空から重苦しく落ちてくる黄昏は、暗さにけぢめがつかないので、春の近づく喜びを黄昏の空の中から読みとる術がないのである。 坂口安吾の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア