背中から肱に当る重厚味といひ深々と沈むスプリングの具合まで申分なく、いはば悪徳がその本来の罪悪的な陰影を半ばまで失ひ、かなり上品な夢幻的風韻にその装ひをこらしてゐると言へないこともないのである。
部屋の飾りも決して金はかかつてゐないが、悪い趣味でもないやうだ。
彼はことごとく満足して、思はず露骨な北叟笑を洩らしたのである。
背中から肱に当る重厚味といひ深々と沈むスプリングの具合まで申分なく、いはば悪徳がその本来の罪悪的な陰影を半ばまで失ひ、かなり上品な夢幻的風韻にその装ひをこらしてゐると言へないこともないのである。
部屋の飾りも決して金はかかつてゐないが、悪い趣味でもないやうだ。
彼はことごとく満足して、思はず露骨な北叟笑を洩らしたのである。