いささかの可憐さもないのであつた。
巾着切りの技術のやうな器用な業でこつちの心理の隙間を狙つてくるのであるが、要するに巾着切りが己れの技術をひけらかしてゐる程度には情熱的であるにしても、いやがらせに殉じるやうな激しいものはないのである。
――蔑むべき驕慢な孔雀だ、と木村重吉は心に叫ばざるを得なかつた。
いささかの可憐さもないのであつた。
巾着切りの技術のやうな器用な業でこつちの心理の隙間を狙つてくるのであるが、要するに巾着切りが己れの技術をひけらかしてゐる程度には情熱的であるにしても、いやがらせに殉じるやうな激しいものはないのである。
――蔑むべき驕慢な孔雀だ、と木村重吉は心に叫ばざるを得なかつた。