所有慾が稀薄であつて、物に執着がすくないのだつた。
感動も理性の領域内にしかないこの男には、持続の長びく感情があつたにしても、その生色が弱々しくて、いはば無いと同様の結果になつてしまふのだ。
けれどもこういふ男にも理性の埒を踏みこえた底なしの穴のやうな混乱もあつた。
所有慾が稀薄であつて、物に執着がすくないのだつた。
感動も理性の領域内にしかないこの男には、持続の長びく感情があつたにしても、その生色が弱々しくて、いはば無いと同様の結果になつてしまふのだ。
けれどもこういふ男にも理性の埒を踏みこえた底なしの穴のやうな混乱もあつた。