心の虚しさを紛らすために由子は無限に歩きつづけてゐたいやうな思ひがした。
虚しさは傷のありかの分からぬやうな鈍痛を与え、失はれた遠い思ひをなつかしむ悲しい心を与えるのだつた。
このまま足を古町へ向けさへすれば……卓一に会へないこともないのであるが、それは恰も見知らぬ街へ見知らぬ心が赴くやうな、自分の心に縁のない他人の決意に見えるのだ。
心の虚しさを紛らすために由子は無限に歩きつづけてゐたいやうな思ひがした。
虚しさは傷のありかの分からぬやうな鈍痛を与え、失はれた遠い思ひをなつかしむ悲しい心を与えるのだつた。
このまま足を古町へ向けさへすれば……卓一に会へないこともないのであるが、それは恰も見知らぬ街へ見知らぬ心が赴くやうな、自分の心に縁のない他人の決意に見えるのだ。