坂口安吾 『吹雪物語』 ――卓一の言葉の中でそれが奇妙に生きてゐた。 血だつて恐怖の種ではないと言ふのであつた。 さういふ言葉をきいてゐると、刃物を握つた由子の姿は浮かばずに、インクのしみでも落すやうな冷酷さで血に汚れた手を洗つてゐる卓一の姿ばかりが浮かぶのだつた。 坂口安吾の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア