すくなくとも、新潟にゐたころの卓一は、原始の姿と自然を憎み、一途に加工の人生を愛し、求めてやまぬ風だつた。
「絶望や怖れや悲哀の厚味の深さに比べたら、歓喜や幸福は、概ね刃物の上を渡つてゐるやうなものぢやないか。
概して僕達の世界では、積極的な、また肯定的な立場より、消極的な、また否定的な立場の方が強力なのだね。
すくなくとも、新潟にゐたころの卓一は、原始の姿と自然を憎み、一途に加工の人生を愛し、求めてやまぬ風だつた。
「絶望や怖れや悲哀の厚味の深さに比べたら、歓喜や幸福は、概ね刃物の上を渡つてゐるやうなものぢやないか。
概して僕達の世界では、積極的な、また肯定的な立場より、消極的な、また否定的な立場の方が強力なのだね。