東京には友達が何万人――はちと桁が違つたが、ゐる小生、銀座で友達にめつたに会はぬが、友達がたつた二人の京都では屡々新京極でかちあつたのだから、だらしないほど小さな街だ。
さて不良少女といふもの、年中盛り場を流してゐるものと見え、散歩のたびに必ず奴等にぶつかるのである。
奴等を見れば、そぞろに身のふがひなさを思ひ知り、世の無常を感じること限りもなく、坊主にならうか、いつそ京都の警察へ志願して奴等のどぎもを抜いてくれようかと煩悶しながら、慌ただしく小説を仕上げて、一目散に東京指して逃げのびてきた次第であつた。