道家がそれを追いながら、実はこれこれにて、朝廷の使者が見えております、アヽ、そうか、と云って、信長は風呂の中へとびこんで、湯ブネから首をだして、勅使のことを色々と質問し、新しい小袖の用意はあるか、ございますとも、それはもう用意に手ぬかりはございません、せっかく天皇様が日本国を下さると仰有るのですから、と、道家は日本国をもらった、もらった、とウワゴトみたいに言っている。
それで信長もお風呂でバチャバチャ水をはねちらして、上キゲンであった。
然し、別に日本国の支配を命じるというような、たいした綸旨ではなかった。