肝心の叔父さえただ船に乗る事を知っているだけで、後は網だか釣だか、またどこまで漕いで出るのかいっこう弁別えないらしかった。
百代子の後から足の力で擦り減らされて凹みの多くなった石段を踏んで行く僕はこんな無意味な行動に、己れを委ねて悔いないところを、避暑の趣とでも云うのかと思いつつ上った。
同時にこの無意味な行動のうちに、意味ある劇の大切な一幕が、ある男とある女の間に暗に演ぜられつつあるのでは無かろうかと疑ぐった。
肝心の叔父さえただ船に乗る事を知っているだけで、後は網だか釣だか、またどこまで漕いで出るのかいっこう弁別えないらしかった。
百代子の後から足の力で擦り減らされて凹みの多くなった石段を踏んで行く僕はこんな無意味な行動に、己れを委ねて悔いないところを、避暑の趣とでも云うのかと思いつつ上った。
同時にこの無意味な行動のうちに、意味ある劇の大切な一幕が、ある男とある女の間に暗に演ぜられつつあるのでは無かろうかと疑ぐった。