夏目漱石 『彼岸過迄』 庭という名のもったいなく聞こえる縁先は五坪にも足りなかった。 隅に無花果が一本あって、腥ぐさい空気の中に、青い葉を少しばかり茂らしていた。 枝にはまだ熟しない実が云訳ほど結って、その一本の股の所に、空の虫籠がかかっていた。 夏目漱石の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア