僕は二階に上って書架の整理を始めた。
綺麗好な母が始終気をつけて掃除を怠たらなかったにかかわらず、一々書物を並べ直すとなると、思わぬ埃の色を、目の届かない陰に見つけるので、残らず揃えるまでには、なかなか手間取った。
僕は暑中に似合わしい閑事業として、なるべく時間のかかるように、気が向けば手にした本をいつまでも読み耽ってみようという気楽な方針で蝸牛のごとく進行した。
僕は二階に上って書架の整理を始めた。
綺麗好な母が始終気をつけて掃除を怠たらなかったにかかわらず、一々書物を並べ直すとなると、思わぬ埃の色を、目の届かない陰に見つけるので、残らず揃えるまでには、なかなか手間取った。
僕は暑中に似合わしい閑事業として、なるべく時間のかかるように、気が向けば手にした本をいつまでも読み耽ってみようという気楽な方針で蝸牛のごとく進行した。