この女給は西荻アンゴ氏と泊りに行った。
帰ってきて、あれはニセモノよ、ホンモノはふとった大男の筈よ、と云ったが、ニセモノかホンモノか追及する情熱はてんでなく、ニセモノを承知で遊んで、ほかの店へクラガエのとき、あれはニセモノよ、ともう一度云い残して、あっさりどこかへ行ってしまったそうである。
西荻アンゴ氏は小量の酒のみであるから、店に借金はないのであるが、多くの女給をやたらと口説いて、泊って、女に金をやらなかったり、女から金を借りたり、つまり日蝕パレスは被害をうけずに、「女給一同より」せしめていたのである。