僕にこの本を貸してくれたものはある文学好の友達であった。
僕はかつてこの男と小説の話をして、思慮の勝ったものは、万事に考え込むだけで、いっこう華やかな行動を仕切る勇気がないから、小説に書いてもつまらないだろうと云った。
僕の平生からあまり小説を愛読しないのは、僕に小説中の人物になる資格が乏しいので、資格が乏しいのは、考え考えしてぐずつくせいだろうとかねがね思っていたから、僕はついこういう質問がかけて見たくなったのである。
僕にこの本を貸してくれたものはある文学好の友達であった。
僕はかつてこの男と小説の話をして、思慮の勝ったものは、万事に考え込むだけで、いっこう華やかな行動を仕切る勇気がないから、小説に書いてもつまらないだろうと云った。
僕の平生からあまり小説を愛読しないのは、僕に小説中の人物になる資格が乏しいので、資格が乏しいのは、考え考えしてぐずつくせいだろうとかねがね思っていたから、僕はついこういう質問がかけて見たくなったのである。