手の指を五本斬るから一本について一万円ずつ金をくれ、などゝ、こういう文学青年の訪れは、大方、どの作家も経験があるに相違ない。
僕が東大神経科の外来で見た十人ほどの患者は、僕の応接間へ現れても不思議ではない人たちが主であった。
文士の応接間と精神病院の外来室とは似たようなところだと僕は思った。
手の指を五本斬るから一本について一万円ずつ金をくれ、などゝ、こういう文学青年の訪れは、大方、どの作家も経験があるに相違ない。
僕が東大神経科の外来で見た十人ほどの患者は、僕の応接間へ現れても不思議ではない人たちが主であった。
文士の応接間と精神病院の外来室とは似たようなところだと僕は思った。