彼女は膝と足を紐と手拭様のもので二ヶ所縛られ、その夫と思われる者、又、も一人の肉親の一人と思われる青年の二人に抱かれて外来室へ運びこまれてきた。
彼女は幻視を見ているのである。
右に天皇が見え、左に観音が見え、彼女はたゞ拝みつゞけているだけで、医者の問いに返答せず、返答するのは夫と思われる男であり、その度に、彼女は怒って、夫を手で振りはらうようにした。
彼女は膝と足を紐と手拭様のもので二ヶ所縛られ、その夫と思われる者、又、も一人の肉親の一人と思われる青年の二人に抱かれて外来室へ運びこまれてきた。
彼女は幻視を見ているのである。
右に天皇が見え、左に観音が見え、彼女はたゞ拝みつゞけているだけで、医者の問いに返答せず、返答するのは夫と思われる男であり、その度に、彼女は怒って、夫を手で振りはらうようにした。